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現在地:朝宮(あさみや)茶 |
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【茶(ちゃ)】
追憶、純愛
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朝宮(あさみや)茶の概要
信楽町の地場産業のひとつである朝宮茶は信楽町の西部に位置する朝宮地区で主に生産されています。朝宮は標高400m程の山間部で昼と夜の気温差が激しく、また霧が発生しやすい気候風土がお茶の栽培に適しており、日本でも最上質の香りがよく美味いお茶が生産されています。古くから朝宮茶は日本五大銘茶(朝宮、狭山、宇治、静岡、大和)のひとつに数えられており、お茶の愛好家では一番人気のあるお茶です。特に朝宮の新茶は「お茶の宝石」とでも言うのでしょうか?呑んだことがある人にしか解らない”お茶の香りとコク”があります。
2009年現在、朝宮の茶畑の総面積は174haで、約60軒のお茶の生産農家があります。全体の約90%が「やぶきた」という品種が栽培されており、その他には少量ですが「べにふうき」「おくみどり」「さえみどり」「さやまかおり」「さやまみどり」「おくひかり」「あさつゆ」などの品種が栽培されています。
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朝宮茶の始まりは
茶の歴史は古く、およそ1200年前の805年に伝教大師最澄が唐よりお茶の種子を持ち帰り、比叡山(ひえいざん)山麓に蒔いたのが始まりとされています。
また「日本書紀」「類聚国史」には815年嵯峨天皇が近江の国に行幸された際、僧永忠が茶を煎じて献じたとあり、さらに「類聚国史」には同年、畿内並びに近江、丹波、播磨に茶を植えさせ、これを献上させたとあります。この時に朝宮の岩谷山一帯に茶の実を植えたのが始まりとされています。これは宇治茶や静岡茶の発祥とされている臨済宗の開祖・栄西が宋から持ち帰った茶の種をまいたとされる時代より約400年も遡るものです。
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仙禅寺下にある「朝宮茶発祥地之碑」
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「朝宮茶発祥地之碑」の横には松尾芭蕉が元禄年間に朝宮の地を訪れて詠んだ句碑があります。 |
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新茶の季節
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その年の気候によっても多少変わりますが、朝宮茶の新茶の摘採は例年5月上旬から始まります。茶畑の日当たり(向き)によって新芽の出具合が異なりますが、気候が暖かくなって新芽の成長が早く、摘採は一日一日が勝負だそうです。お茶の良し悪しは摘採のタイミングによって決まる比重が高く、ベテランのお茶農家でも、この判断が一番難しいようです。そのためこの時期はお茶工場の機械もフル稼働で、工場によって深夜までフル稼動しているところもあります。
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摘採直前の新茶の芽
新茶の摘採作業(写真提供:かたぎ古香園)
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製茶工場内の作業風景
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お茶の花
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茶の木はツバキ目ツバキ科の常緑樹です。原産地は中国南西部とされていますが、確かなことはわかっていないそうです。亜熱帯原産で寒さにはそれほど強いほうではなく、酸性土壌を好む植物です。その年の気候にもよりますが、秋には白色五弁で黄色の蕊(しべ)が目立つ清楚で可愛い小さな花を咲かせます。
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お茶の花
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お茶畑の扇風機は?
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お茶畑にたくさん立っている扇風機は何?風力発電?ではないですよ!これは霜除けのために設置されています。朝宮はお茶の新芽が出る頃によく霜が降ります。霜が降りると新芽は全滅です。霜除けのためにファンを回して新芽を守っているのです。朝宮では1973年(昭和48年)に全国に先駆けて設置されました。
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お茶畑の霜除けファン
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